インドへ行こう(8) ~ ムンバイMumbai初夜

ショッキングな光景を目の当たりにし、気分が優れない状態でずっと車窓を眺める。すると、海が見えた。ドライバーが「もう近くだ」という。

暗い夜道をタクシーはスピードを落とし、Shelly’s Hotelを探す。見つかった。寂れたホテルだ。がっかりしたが、こんなものだろうと自分に言い聞かせ、タクシーをホテルの玄関に横付けしてもらった。玄関にいた警備員が、私の荷物をトランクから取り出したが、私はその荷物を自分で運ぶことにした。

フロントへ向かう。フロントマンは、きょとんとした表情で立ち上がる。私は、今日から2日間の宿泊を、日本からネットで予約を入れておいたことを告げる。彼は台帳を広げたが、そのような予約は受け取っていないという。

確認の返信メールがこなかったら、日本から電話で連絡を入れておくべきだったのだろう。しかし、今更どうしようもない。もう日付はかわっているし、なんとかここで寝床にありつきたい。押し問答を何度か繰り返し、今夜の宿泊だけを1,950ルピーで確保した。そのホテルの最高の部屋だという。

といっても、ここはインド。それほど期待を膨らませず、階上へあがった。案内されたの部屋は、その膨らんでいない期待値でも、半分以下の代物だった。仕方ない。今夜はここで寝ることにしよう。こうして、ムンバイの初めての夜を過ごすことになった。

インドへ行こう(7) ~ インド最大のスラム街

飛行機は着陸態勢に入った。ムンバイに到着だ。Mukundと別れ、私は、ひとりイミグレーションへ向かう。初めてのムンバイ国際空港。どこか薄暗く、決して綺麗とは言いがたい。到着口をくぐりぬけ、まずは今夜のホテルへ確認の電話を入れることにした。

そのホテルは、日本からネットで予約を入れておいた。しかし、確認の返信メールが来ていなかったからだ。ドコモの国際ローミング契約で端末をレンタルし、日本から携えてきている。その携帯電話からかけてみる。しかし、かからない。電話会社のアナウンスばかりが流れる。全ては聞き取れないが、どうも番号が間違っているらしい。初めて使う国際ローミングであり、使い方があっているかどうかもわからない。いろいろと試してみたが、結局はつなげることはできなかった。仕方なく、そのままタクシーに乗り込むことにした。

ムンバイMumbaiの空港は、国内線・国際線とも市街からキタへ数十キロのところに位置している。タクシーではおよそ1時間ぐらいか。もうとっくに日が暮れて、深夜に近い時間帯だ。しかし、ムンバイMunbai市街へ向かうその道中は、車、車、車、人、人、人・・・。クラクションの音がけたたましい。決して路面状態もいいとは言えず、車は右へ左へと揺れながら先へ進む。

ある街角に差し掛かったとき、驚くべき光景を目の当たりにした。20人ほどの集団が。女性や子供も多く含まれている。その彼ら、彼女らは、路上で就寝しているようである。ある女性は、立ちながら子供に指示をしている。「あなたはここで寝なさい」と言っている様子にも見てとれる。みんな家族なのか。

ここムンバイMumbaiは、インド国内、いやアジア地域内でも最大のスラム街を有しているという。経済発展が進む影の面では、貧富の差の拡大がここインドでも大きな社会問題になっているようだ。その影の面を目の当たりにしたのだろうか。なんともやるせない気持ちになった。

インドへ行こう(6) ~ インド経済発展を担う人

しばらくすると、隣席のインド人男性が話しかけてきた。「どこから来た?」というお決まりのセリフだ。私も退屈していたところなので、いい話し相手が見つかった。

彼は、ムンバイMumbai在住で、投資会社で副社長をしているらしい。主に、中国市場を対象とし、頻繁に中国へ赴いているようだ。バンコクBangkokへもよく出かけるという。40歳といっていた。まだ独身だという。仕事はとても忙しいらしい。しかし、疲れている様子はない。とても陽気な人だ。近年、発展著しいインド経済を引っ張っているビジネスマンの一人なのだろう。

話が盛り上がり、彼は、ムンバイMumbaiで私を案内すると申し出てきた。よかったら家にも泊まれ、とも言ってくれた。とてもありがたい話だ。一瞬、躊躇した。しかし、旅程の都合もあり、また最初は自分の脚で歩きたい気持ちが強い。もったいない話だが、私はその旨を彼に伝え、申し入れは断った。

彼は落胆する様子もなく、それからもずっと陽気に話しかけてくれた。ムンバイに近づいた頃、彼は名刺を取り出し、私に差し出してくれた。私も、彼の手帳にメールアドレスの日本の連絡先を書き記した。これから俺たちは友達だ、といって飛行機を降りた。

インドへ行こう(5) ~ ボリウッドBollywood女優!?

インド・ムンバイMumbaiへ向かう時間が近づいてきた。空港へ向かう。必要な手続きを済ませ、飛行機に乗り込んだ。

バンコクBangkokからムンバイMumbaiへのフライトは、タイ航空を利用した。初めて乗る。そういえば、ここ数年は日系の航空会社しか利用していない。JALのマイレージ特典航空券で旅をしてきたからだ。久しぶりに日系以外の航空会社だ。

客室乗務員に日本人はいない。当然だ。タイの民族衣装を身にまとっている。出される機内食もエスニック。また、乗客のほとんどはインド人。そんな空間の中にひとり身をおき、インドへ向かう。

私の二つ隣に座るインド人女性は、とても綺麗な人だった。青色系のサリーを身にまとっている。ツンと澄ましたところがまた魅力的だ。

インドの女性は、とても美しい人が多い。私は、最近、ボリウッドBollywood映画にハマっている。最も好きなボリウッドBoolywood女優は、アイシュワリヤ・ラーイAishwarya Rai。彼女は、かつてミス・ワールドにも選ばれているほどの美貌だ。アイシュワリヤ・ラーイAishwarya Raiをはじめ、ボリウッドBollywood女優たちは本当に美しい人が多い。

二つ隣に座る女性は、そのボリウッドBollywoodのスクリーンの中にいてもおかしくはない、と思うぐらいだ。できれば話しかけたかったが、そんなことができる空気は漂っていない。仕方なく、見惚れるだけで我慢した。

インドへ行こう(4) ~ 初めてのカオサンKhao Sarn Rd.

朝食を終え、その日の行程の確認だ。昨夜、空港のインフォメーションでもらった地図を開ける。そこに、今日の行き先をマークする。タクシーやトゥクトゥク、また街中で道を尋ねるときに、現地の地図はとても便利だ。日本語で書かれている地図は、それだけで現地の人は敬遠する。これまで何度も経験してきた。

もともと、バンコクBangkokは今回の旅の目的地ではない。ただ、トランジットで立ち寄っただけ。だから、歩きたいところはそれほど多くない。しかし、ひとつだけ行きたいところがある。カオサンKhao Sarn Rd.だ。

初めてのカオサンKhao Sarn Rd.。情報通り、世界中のツーリストが集まっていた。アジア系よりも、白人系の方が目に付く。人数自体も多いが、そのいでたちで一際目立つ。ノースリーブやミニパンなどの露出後が高い衣服を見につけ、カオサンKhao Sarn Rd.を闊歩している。水着で歩くカップルもいる。その開放的な雰囲気が、私の気持ちを高ぶらせる。気に入った!ここにロングステイする人が多いということも頷ける。

軽く歩き、カオサンKhao Sarn Rd.を後にする。しかし、昼過ぎに舞い戻る。バーでシンハSINGHAを飲む。その雰囲気によいながら、ムンバイMumbai行きのフライト時間までゆったりと過ごした。

インドへ行こう(3) ~ 仏教国・タイ

昨夜は、ホテルの部屋に着くと、落ちるように眠りについた。目覚めが早く、睡眠時間は5時間程度。熟睡したのか、とても寝起きがいい。快調だ。シャワーを浴び、朝食券とデイバックを持って、1Fのレストランへ向かった。

アジアのハブ空港と位置づけられるバンコクBangkok。その名の通り、ホテルのレストランは人種の坩堝だ。アジアだけでなく、白人系の人も多い。聞こえる言葉も、英語をはじめ、聞きなれない言葉がたくさん飛び交っている。

そんな中を、私はレストランの中央辺りに空いているテーブルを見つけた。そこに、日本語で書かれたガイドブックを置き、デイバックを携えたまま、朝食をとりにいった。バイキング形式だ。

バイキングでは、自分の好きなものを好きなだけ、皿の上に盛り付けることができる。タイ料理は好きであり、あれもこれもと目移りがする。出されている料理をほとんど全て、少量ずつ、トレーに乗せた2枚の皿にのせていった。

脇に目をやると、セミロングのブロンドの髪をなびかせた白人系の男性がいる。おそらくオーストラリアからきたのだろう。彼は、左手に皿1枚、右手にフォーク1本を持ち、ウロウロとしている。野性味あふれる姿だ。日本では品がないと思われるかもしれない。しかし、彼らがやるとさまになる。

タイの民族衣装を身にまとった女性二人が、それぞれのテーブルに置かれたままになっている空いた皿を下げている。背が低く、色が浅黒く、黒髪だ。とても可愛らしい。私のテーブルにも来て、空いた皿から下げてくれる。とても素敵な笑顔を見せてくれた。

日本と同じ仏教国であるタイの人々とは、相通ずるものを感じる。相手のために尽くす、やさしく接する、ということを幼い頃から教わっているからか。日本人である私も、その気持ちを忘れないようにしたい。

インドへ行こう(2) ~ バンコクで日本を想う

二日酔いの影響で、日本を出発するときに大きなヘマをやってしまった。が、タイ・バンコクには無事に到着することができた。オンタイムでは、現地時間23:45にバンコク国際空港に到着。実際は若干の遅れ、日付が変わっての着陸になった。

着陸前の機内放送では、現地の気候は晴れだった。しかし、タラップから降りようとすると、そこはスコールのような大粒の雨が降っていた。亜熱帯特有の気候だ。その中を、足早にターミナルへ向かうバスへ乗り込んだ。

入国審査を難なく済ませ、その日の寝床を探さなくてはいけない。ダウンタウンまで出て、宿と直接交渉してもよかったが、時間はかなり遅い。バンコクは、以前に一度だけ来たことがあるが、トランジットのみ。夜のバンコクを歩いたことがない。旅は始まったばかりで、まだ先は長い。冒険はやめて、空港のインフォメーションでホテルを手配してもらうことにした。

紹介を受けたのは、ワット・プラケオやカオサンからほど近い「ロイヤル・ホテルRoyal Hotel」。中級ホテルといったところか。1泊1,200バーツ。少し高い気もしたが、眠気が襲ってきたこともあって、即OKにした。


Royal Hotel

タクシー待ちの人々の列が、長く連なる。その最後尾に並んだ。さっき降っていた大粒の雨は、いつの間にかやんでいた。

外は湿度が高く、ムッとした気候。タクシーに乗り込むと、エアコンをがんがんに効かしていた。

陽気なドライバーが話しかけてくる。

ドライバー 「どこから来た?」

  私    「日本だ。」

ドライバー 「ようこそタイランドへ!」

その後も彼は、マシンガントークを続ける。しかし、私は早く横になりたい。そう思いながら、車窓に目を向ける。SonyやPanasonicなど、日本でもおなじみのネオンが、煌々と輝いている。ここタイをはじめ、アジアの人々は、日本へ憧れの気持ちを抱いている。このようなネオンや看板が、街中に数多く打ち立てられていれば、当然というべきか。改めて、日本人であるということに、誇りと自信を感じた。

インドへ行こう(1) ~ 二日酔いでの旅立ち

いつもの週末よりひどい寝起きだった。昨夜、久しぶりに会社の連中と飲みに行き、深酒をしたからだ。今日から旅に出かけるというのに、不覚だった。

軽い二日酔いで旅立つことになる。パッキングは何もしていない。しかし、旅の回数を重ねるにつれ、荷物をまとめる段取りも速くなる。1時間余りで準備は完了した。

予定通りに午前中に支度は済み、部屋の片付けに入った。洗濯機を回しながら、掃除機をかけた。そのとき、たまたま航空券が入った封筒を手に取り、中身を確認した。「あ~ぁ!?NARITA15:55!!??18:55じゃないのか!!!???」 いっきに目が覚め、二日酔いもどこかへ吹っ飛んでいった。部屋の掃除を切り上げ、洗濯物だけを部屋干しし、急いで最寄り駅へ向かった。

しかし何かがおかしい。最重要事項であるフライト時間なんて憶え間違えるわけがない。「あ!そっか!今回は一度日程を変更しているぞ!」と思いだし、再度その封筒を取り出す。やっぱり、NARITA15:55は変更前の航空券。二日酔いで頭の回転が極度に鈍っていたんだろう。どうして、最初に気づかなかったのか。やはり、旅の出発前日は、早めの帰宅にするべきだ。自宅に戻り、気を取り直して、部屋の掃除を続けた。

こんな調子で、果たして今回の旅を無事に終えることができるのだろうか。

ヨガ・アーユルヴェーダに決めた!

インドへ旅立つまであと1週間。そろそろ旅のプランを細かく決めなくちゃいけない。

ガイドブック「地球の歩き方」を見ると、エローラやアジャンターも捨てがたい。世界遺産に登録されている壁画や石窟を一度は見てみたい。しかし、短くて限られた旅程の中で、やりたいことや行きたいところを全て満足させることはできない。選択と集中だ。

今回の旅で、俺は何をしたいのか。

第1に、地元の人とのコミュニケーション。これは、俺が旅するときは必ず最大の目的にしている。現地の文化を肌で感じるのは、庶民的な街を歩き、場末の食堂で食事をする。またそこで、地元の人とコニュニケートすることで、本当のその土地の文化を肌で感じることが出来る。また、日本という国をどう見ているのか、率直な意見を聞くことが出来る。

第2に、やはり癒された気持ちになりたい。日々の仕事で、相当に疲弊しているのは自分でもわかる。特に、この2ヶ月程度は、休日出勤こそ辛うじて避けることができたが、毎日深夜の帰宅の連続だった。

以前、平穏な感情や健康な体を取り戻すために、都内のヨガ教室へ出向いたことがあった。それも、日々の多忙を理由に続けられていない。

また、1年以上前になるが、都内の某所でアーユルヴェーダのオイルトリートメントをしてもらったことがある。疲れた体が、90分の間にすっかり癒されたのを、今でもはっきりと思い出すことができる。

そうだ!本場インドで、ヨガとアーユルヴェーダを体験してみよう。

たまたま、「地球の歩き方」のweb siteで、南インドに住む日本人が、同地でヨガ教室の案内をしていた。アーユルヴェーダも、近くのTaj Hotelでできるらしい。

ムンバイ(Mumbai) という、インドを代表する都市。商業都市。

もうひとつ、クヌール(Coonoor) は、南インドの高原地帯に位置する村である。現地インド人の避暑地としては有名のようだが、日本人はあまりいないようだ。加えて、Toy Trainという世界遺産に登録されている、インド唯一の蒸気機関車が走っていると聞く。列車好きの俺には、かなり魅力的な場所であろう。

今回のインドの旅は、大都市と田舎町の全く正反対の場所に滞在することになる。

ひとつだけ心配なことは、田舎町クヌール(Coonoor) では、たぶん英語があまり通じないだろう。まぁ、いい。言葉なんて通じなくても、なんとかなるさ。

世界遺産 or ヨガ・アーユルヴェーダ

インドへ旅立つまで、もうあと2週間だ。今日は、その度のプランを練るため、ガイドブックやネットで情報収集に徹した。

今回の旅はムンバイを基点にしている。ムンバイ市内を歩くことはもちろんである。短い期間ではあるが、それ以外にもどの都市へ行こうか?そう思いながらガイドブックを見ていた。

すると、ムンバイから列車で数時間のところに、エローラやアジャンターという観光名所がある。そこは、世界遺産にも登録されている石窟群があるという。

ガイドブックに載っている写真や解説を見てみると、ぜひ一度足を運びたいところだ。

そう思いながら、ネットサーフィンをしていたところ、南部Tmil Nadu州のCoonoor(クヌール)という村に、インド人と結婚した日本の方が暮らしているという。そこでは、ヨガやアーユルヴェーダも体験できるらしい。

一度、本場のアーユルベーダやヨガを体験してみたい。そういう思いがとても強くなってきた。

世界遺産をとるか、ヨガ・アーユルヴェーダを取るか、正直言って迷っている。今日、旅のプランの概略行程を決めようと思っていたけど、それどころではない。余計に迷う羽目になってしまった。

日本を飛び立つまであと2週間。じっくり考えるとしよう。