さぁ、インドへ行こう!~(35)

カーマークシ・アンマン寺院 Kamakshi Amman Temple は空振りに終わり、バスは再び動き出した。相変わらず訛りのきつい英語で、ガイドは次の行き先地を告げた。

朝食だ。この近くで、朝食を用意しているようだ。10分ほどバスは走り、とあるホテルの敷地内に入った。バスの扉が開き、ツアー客はこぞって降りていった。

俺も、みんなの後に着いて行き、そのホテルの一番奥側にあった食堂に入った。正方形の4人席テーブルが10卓ほどある。先に入った子供達が、それぞれのテーブルを陣取っている。

家族連れの中に、一人日本人が座っているのもおかしいだろう。俺は、その中でまだ誰も座っていないテーブルに向かった。

しばらくすると、3人の年配の方が俺のテーブルに座ってきた。気にせず、ロンプラに目をやる。すると、奥の部屋からホテルの人が、大きな銀色の皿を両手に持ってやってきた。

それぞれのテーブルに人数分の皿を置いていく。その上には、イドリーを代表に、南インドの代表的な料理が盛られている。

全員に皿が配られたところで、今度は大きな鍋を乗せた配膳台がやって来た。その配膳台を押すホテルのスタッフが、これもまた大きなオタマでその鍋からカリーを掬う。それぞれの皿に盛っていった。

何の特徴もない殺風景なホテルの中の食堂。期待はしていなかったが、これがなかなかイケる味だった。思わず、カリーのお代わりをお願いし、全てを食べ終わったころには、額にうっすらと汗がにじみ出ていた。

各人は、自分の食事が済むとばらばらに食堂を出て行く。俺も、同じテーブルの3人と同時に席を立ち、バスを停めている駐車場へ向かった。

さぁ、インドへ行こう!~(34)

ガイドもツアー同行者もバスに戻ってくるのが見えた。すぐに俺もバスへ戻る。子供達がわいわいと騒ぎながらバスに乗り込んでいった。

次はどこへ行くのだろう。ツアーだから、行き先をガイドと運転手に委ねるしかない。ゆっくりと動き出したバスは、10分も走らないうちに再び停車した。ガイドがマイクを通して、みんなに降りるように伝えた。


カーンチープラム Kachipuram での第二の目的地。ここはどこだろう・・・

ここはどこだろうか・・・。まぁ、いい。とりあえずみんなに着いていこう。しかし、ここはさっきのシュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbarabathar Temple と違って、多くの人でごった返していた。

ぼやぼやしていると、今度はほんとに置いてけぼりをくらいそうだ。ここでは、とにかくガイドに着いていくしかない。しかし、慣れたガイドとツアー客は、ここでも足早に歩いていく。

ツアー一行は、ある寺院の入り口に到着する。ガイドの指示通りに、入り口脇でスニーカーを脱ぎ、少年に10ルピーを渡し、靴を預けた。

すると、その脇でどこか懐かしい雰囲気が漂う男女が立っていた。周りとは全く肌の色が違う二人。そう、見るからに東アジア人だ。すかさず、その女性が手に持っていた本に目をやると、“地球の歩き方 インド”と書いてある。

こんなところにいる日本人に会うとは思わなかった。珍しいのだろう。お互いが意識した。

“人、多いですね”と俺が話しかけた。女性が“そうですね”と返してきた。次の言葉をかけようとすると、そのカップルは、後ろから大勢の人の流れに押しやられてしまった。

女性は流されてながら、“あけましておめでとうございます”と言ってきた。俺も同じ言葉で返そうとしたが、その人の流れに押されて二人は俺の前から消えていった。

気を取り直し、寺院入り口前に戻る。その狭い入り口に向かって、非常に大勢の人々が並んでいた。その列の先頭の方が、一際騒がしい。どうやら、寺院の人ともめているようだ。

これだけの長蛇の列ならば仕方ないか・・・と思った途端、そのもめている連中の中に、俺が参加しているツアーガイドがいるのを発見した。その周りには、ツアー同行者もいる。

おそらくタミル語だろう、何を言っているのか全く判らないが、そのすごい剣幕からただならぬ雰囲気を感じ取れた。

10分ほど経っただろうか、そのガイドは体を翻して、ツアー客を引き連れてバスへ戻っていく。仕方ない、俺も着いていくしかない。少年に預けた靴を取り戻し、急いで彼らに着いていった。

“どうしたのか?”とガイドに聞こうとしたが、その表情はまだ強ばっている。とばっちりを食らうのも癪なので、ツアー同行者の一人に聞いてみた。

“今日は新年で、たくさんの人がこの寺院に来ている。中に入るのに1時間以上かかるらしい。彼はそんなに待てないと憤慨して交渉したが、どうも無理だったようだ”

日本であれば、無言で列の最後尾に並ぶのがマナーだが、ここインドではなんでも交渉に持ち込む。彼は、我々ツアー客のことを思ってそのような交渉をしてくれたのか、それとも自分個人の感情で喚き散らしたのかはわからない。とにかく、ここインドでは、よく見る光景だ。

そのツアー同行者に、“ここは何て寺院ですか?”と聞いた。“カーマークシ Kamakshi” と言う。ロンプラを広げ、確認すると、カーマークシ・アンマン寺院 Kamakshi Amman Temple。街のほぼ中心だ。


カーマークシ寺院 Kamakshi Temple

解説を読むと、“どんな願いを叶えてくれる女神カーマークシ Kamakshi に姿を変えたパールヴァティー Parvathi に捧げられている”とのこと。新年早々、どんな願いも叶えてくれる女神カーマークシ Kamakshi の寺院を参拝できないなんて、今年はどんな願いも叶わないのかも・・・と余計なことを考えてしまった。

さぁ、インドへ行こう!~(33)

ツアーから離れ、独りでシュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple を見て周った。先にバスが出てしまう心配もあり、少し早めにバスに戻ることにした。

来た道を戻り、寺院の入り口に停車しているバスを見つけた。どうやら、まだツアー同行者は戻ってきていないようだ。


シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple 前の駐車場。左側の青と白のツートンのバスが、我々が乗ってきたバス

みんなが戻ってくるまで、バスの中で待っているのもバカらしい。彼らがバスに戻ってくるのが見える範囲内で、シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekanbaranathar Temple の前を通りを散策してみることにした。


寺院の前をまっすぐ伸びる大通り。両脇に何台ものバスが停車していた


バス駐車場にある土産物店


一仕事を終えたのか。空の荷車を引く牛たち


60メートルのゴープラムは、どこからでも見ることができ、目印になった

さぁ、インドへ行こう!~(32)

シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple はシヴァ Shiva 神を祀っている。16世紀から17世紀にかけて、ヴィジャヤナガル朝 Vijayanagar 、パッラヴァ朝 Pallava 、チョーラ朝 Chola の時代に建造、増築されている。

シュリ・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の名称の由来は、エーカ・アムラー・ナータ Eka Amra Nathar (マンゴーの王)であるという。実際に、樹齢3500年のマンゴーの木が生えており、4つのヴェーダを象徴する4本の枝が伸びている。

ガイドに案内されたツアー客は、ぞろぞろと神殿内に入っていく。案内に慣れたガイドは、次々と進んでいく。自分のペースで歩きたい俺は、気が付くとひとり取り残されてしまう。

最初のうちは、頑張ってみんなのペースに合わせてはいたが、「そんなに人も多くないし、同じツアーの人を何人か憶えていれば、すぐに見つけられるだろう。」と思い始めると、途端に我流の歩き方をしてしまった。

同行のツアー客は、シヴァ Shiva が祀ってある本堂に入っていく。ロンプラによると、そこはヒンドゥー教徒しか入れないようだ。しかし、仮にヒンドゥー教徒外が入れたとしても、俺はなぜか入る気がしなかった。

薄暗い室内の奥にシヴァ Shiva の石像が立っていた。ここインドのヒンドゥー教徒達が、神聖な気持ちでシヴァ Shiva 神に祈りを捧げている。不純な気持ちは全くなかったが、そんな場所にのこのこと異国人が見物するのも気が引けてしまった。俺は、その場から立ち去った。

ひとりで行動を開始し、同行のツアー客の姿も見えなくなった。少し不安になってきたが、「まぁ、そんなにすぐにはバスは発車しないだろう。10分ほどしてバスに戻れば大丈夫だろう。」と思い、そのまま巨大な回廊をひとりで歩き続けた。


ひんやりとした回廊には、数百本の柱が立てられている


回廊の脇には、本堂を囲むように136本のリンガ lingam が立てられている

 


樹齢3500年のマンゴーの木


マンゴーの木の下で、シヴァ Shiva とカーマークシ Kamakshi (パールバティ Parvathi )が結婚したという伝説がある


敷地内で間近に見るゴープラム


南インドの子供達は、カメラを向けると快くポーズをとってくれる

さぁ、インドへ行こう!~(31)

バスは、細い裏路地をくねくねと上手に曲がりながら進む。座席から外を見ると、その細い裏路地にはたくさんの人々が行きかっている。バスとすれすれのところを揚々と歩いている。

ちょっとでもハンドル操作を間違えると、何人か引いてしまいそうだ。しかし、運転手も道行く人々も慣れたもので、そんな状態でも何も起こらない。

バスは、停車場らしき場所で停車し、ツアー客はぞろぞろとバスから降りた。俺も最後尾から、みんなに着いていった。

カーンチープラム Kanchipuram で、まず訪れたところは、シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple だ。

このシュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple は、ここカーンチープラム Kachipuram で最も大きい寺院である。ゴープラムの高さは約60m。12haの敷地の周りに石の外壁が建てられている。


高さ60mのシュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple のゴープラム

バスが停車したすぐ傍に、入り口らしき門がある。その門の前には数軒の土産物屋がある。我々を見つけて売り込みにくるかと思ったが、誰も近づいてこない。ガイドはツアー客全員を連れて、シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の敷地内へ入っていった。


シュリー・エーカンバラナータル寺院 Sri Ekambaranathar Temple の入口前


敷地内に入ると、ゴープラムの高さに一際強い印象を受ける

さぁ、インドへ行こう!~(30)

バスに乗り込み、俺は開いているシートに座った。暫くして、運転手が番号を呼び始める。番号を読み上げる度に、バスの中の人達が返事をする。“そっか、座席は指定なのか。俺は・・・”と思いながら、昨夜もらったチケットを見直した。

そこには、二桁の数字とアルファベット一文字が書かれている。おそらくそれが俺の座席番号だろう。俺は、隣に座っていた女性にそのチケット見せ、自分の座席を確認した。すると、最後部座席のようだ。すぐに移動し、指定されたシートに座りなおした。


最後尾の席から見た、出発前のバス車内の様子

バスが動き出した。“まだ半分ぐらい空席があるのに、意外と人気がないツアーだったのか・・・”と思ったや否や、5分ほどしてバスは停車した。そこは、このバスツアーの別の集合場所。大勢のツアー客が乗り込んできて、ほぼ満席になった。

再びバスは発車した。車内では男性スタッフが、インド訛りが強い英語で説明を始める。

“まずは、1時間半ほどかけてカーンチープラム Kanchipuram へ向かい、○○○ 寺院と○○○寺院へ行きます。その後に朝食です。朝食後に○○○寺院を訪問し、その後マーマッラープラム Mamallapuram へ向かいます。マーマッラープラム Mamallapuramu の後は・・・”

と、なんとなく言っていることがわかる気がしたが、それが正しいかどうかわからない。仮に、そのガイドの説明をを正確に理解できたとしても、ここインドでは予定通りに行くことは少ない。あまり気にせず、俺は車窓を眺めていた。

チェンナイ Chennai 市内は交通量も多く、道路もよく整備されている。しかし、ひとたび郊外に出ると、舗装されていない未整備の道路に出くわす。バスは上下にガタガタと揺られながらも、カーンチープラム Kanchipuram に向かって快走した。

朝早く出発したこともあり、またそのバスの上下運動が眠気を誘ってくる。外の景色を眺めていたが、いつの間にか眠ってしまったようだ。

1時間ぐらい寝てしまったのだろう。朝い眠りの中で、バスが右へ左へ小刻みに曲がる感触がした。目を覚まし外を見ると、小さな街中に入り込んでいた。カーンチープラム Kanchipuram に到着したようだ。


前の席に座っていた少年。カメラを向けると、とても可愛い笑顔を見せてくれた。

さぁ、インドへ行こう!~(29)

インドでも、1月1日はHappy New Year だ。昨夜は、ホテル近くでもNew Year Party を開催しているレストランも多かった。そういえば、数多くのインド旅を重ねてきたが、ここインドで年越しをするのは初めてだ。

日本にいると、お決まりのテレビ番組や街中の飾り物などで、否が応でも年越し気分になってくる。しかし、ここインドでは、俺が慣れていないこともあって、そんな気分になることはなかった。ただの旅の一日に過ぎなかった。

日本ではめでたい元旦の日に、俺はここチェンナイ Chennai から、マーマッラープラム Mamallapuram とカーンチープラム Kanchipuram へ向かう。そう、昨夜、タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation で申し込んだバスツアーに参加する。

早朝6時30分に、ツアーを申し込んだタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation のオフィスに集合との事。5時に起きて支度するつもりが、旅の疲れか30分ほどベッドの上でうだうだしてしまった。

危うく二度寝をしそうになったが、重い体をたたき起こした。時計を見ると、6時10分。ホテルから集合場所 までは、歩いて10分ほどかかる。急いで身支度をし、部屋の床の上に無造作に置いてあったデイバックを背負い、ホテルを後にした。ちょうど6時30分。「まずい・・・。先にバスが行ってしまうんじゃ・・・」と思いながら、早足で集合場所へ向かう。

しかし、早朝でまだ薄暗いのに、たくさんのインド人が街中を行きかっていた。祝日のせいなのか、それとも元々ここインド・チェンナイ Chennai の朝の風景がいつもそうなのか、我々日本人が抱く忙しない朝というイメージは、全く感じられない。どこか優雅に、また時間の流れがゆっくりと感じられる。

そんな感傷に浸っている暇はない。そんな時間の流れの中でただ一人、日本人の俺は忙しなくタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation へ向かう。

オフィスのドアを開け中に入る。すると、椅子に腰をかけていた数人のインド人女性と子供達が、ギロッと俺のほうに振り返った。目の前のカウンターデスクの向こうには、昨日のインド人スタッフがいた。彼は俺に、ニコッと微笑んだ。どうやら間に合ったようだ。

それから10分ほど経ち、皆が外へ出て行く。俺もそれに着いていくと、さっきの男性スタッフが俺を手招きし、目の前のバスに乗り込むように指示をする。いよいよ出発だ。


タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation のツアーバス

さぁ、インドへ行こう!~(28)

インドの中でも、南インドの人は本当に気さくだ。カメラを持っている俺を見かけると、すぐに“俺たち(私たち)を撮ってくれ”とせがんでくる。

エグモア駅 Egmore R.S. からタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation へ歩くだけで、通りすがる人々や沿道で軽食を提供する人々が、俺のカメラの前でポーズを撮るのは紹介済みだ。

俺にシャッターを押させてくれるのは、別に街ですれ違う人やおやつを買う店の人だけではない。オート・リキシャーのドライバーや、高給取りが行くブランドショップの人達も、俺がカメラのレンズを向けると同じように笑顔を見せてくれる。

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スペンサー・プラザ Spencer Plaza からHotel Royal Regency まで俺を運んでくれた、オート・リキシャー・ドライバーのKalai

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スペンサー・プラザ Spencer Plaza でサングラスを買ったショップの親娘店員。ともにオレンジ色のサリーがとても似合う。

日本だけではなく、他のアジアの国でも、ここまで写真撮影にウェルカムな土地は他に知らない。国や地域によっては、写真撮影が厳禁なところもある。

しかし、ここチェンナイ Chennai では、そんなことを気にする必要なない。ぜひ、チェンナイ Chennai を含め南インドを訪れた際には、恥ずかしがらずにカメラのレンズを待ち行く人々に向けてみよう。日本では経験できないリアクションが、彼等・彼女達から帰ってくるだろう。

さぁ、インドへ行こう!~(27)

タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation へ向かうつもりが、チェンナイ Chennai の人達の気さくな笑顔に釣られて、かなりの足止めを食らった。気を引き締めなおして、目的地を探すことにした。

しかし、地図どおりに歩いても、肝心のタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation は見つからない。どうしたことか・・・。ロンプラ lonely planet では、Park Train Station のすぐ近くだ。

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Park Train Station の駅前通りの様子。仕事帰りなのか、レジャー帰りなのか、家路に急ぐ人々。

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Park Train Station の駅前

なかなか、タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation が見つからない。諦め気分が強くなってきたところに、ようやく目的地を表すネオンが見えてきた。

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タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation

あまりにも人通りが多い通りで、周辺の光るネオンに隠れるようにして表示されるタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation の看板。よほど気をつけて探さないと、間違いなく通り過ごしてしまうだろう。

ようやく見つけたタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation の看板をくぐり、オフィスを探す。一歩中に足を踏み入れると、看板の外の大通りとは程遠い、薄暗い空間が俺を迎え入れた。本当に、ここに目的地があるのか・・・

そんなおれの懸念を他所に、すぐにタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation を発見することができた。それは、小学生の夏の林間学校で見たような、薄暗くて寂れた建物の中に合った。

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タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation の入り口

ようやく見つけたタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation 。ためらわずに、その建物に足を踏み入れた。

ここにもまた、南インド・ドラヴィダ Dravida 文化を象徴するかのような、背格好や顔、鼻の形が丸い中肉中背の男が待ち受けていた。彼は、笑顔で俺を招きいれた。

少し踏ん反り返ってはいるが、その目と表情はとてもフレンドリーだ。俺は、翌日にマーマッラープラム Mamallapuram へ行きたい旨を伝えた。

彼は“OK”と言って、俺に翌日のバスツアーの案内を始めた。

6:30amにこのオフィスの前を出発。7:00pmに帰着予定。行き先は、マーマッラープラム Mamallapuram のほか、カーンチープラム Kanchipuram など周辺の観光地を一日で周るツアーだ。

Non A/C で、330ルピー。ホテルのツアーデスクで紹介されたよりは高いが、そっちは明日は催行されない。しかも、タクシーチャーターよりは格段に安い。

仕方ない。目の前の男の笑顔と親切に免じて、このツアーに申し込むことにした。

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タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation のデスク

ようやく、翌日1月1日の予定も決まり、トボトボとホテルに戻ることにした。そういえば、今日は大晦日じゃないか。というより、腕時計で時間を確認したら、既に日本では新年が明けていた。旅をすると、つい日本の時間軸を忘れてしまうのは俺だけではないだろう。

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全ての旅の手配を終えて到着したHotel Royal Regency

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日本では既に新年が明けた時間だが、インドを旅している俺にとって2007年の最後の食事。“年越しそば”ではなく、“年越しビュッフェ・ターリー”??

さぁ、インドへ行こう!~(26)

今回の旅のメインはマイソール Mysore 。にもかかわらず、ムンバイ Mumbai からバンガロール Bangalore ではなく、ここチェンナイ Chennai に飛んできたのは、もうひとつの目的がある。

それは、マハーバリプラム Mahabalipuram を訪ねることだ。チェンナイ Chennai から海沿いを南へ約60kmほど下ったところにある。

前回のチェンナイ Chennai 滞在では、マハーバリプラム Mahabalipuram を訪れる時間がなかった。もんもんとした気持ちで日本に帰国し、いつか必ずマハーバリプラム Mahabalipuram へ行くぞ!と自分自身に誓っていた。

現地では、このマハーバリプラム Mahabalipuram という呼び名より、マーマッラプラム Mamallapuram と言った方が通りがいい。前回の自分への約束を履行するため、先ほどのツアーデスクへ向かい、同じ女性にマーマッラープラム Mamallapuram へのツアーを確認してみた。

彼女に差し出されたパンフレットを見ると、マーマッラプラム Mamallapuram の他、いくつかの観光地も訪れて、バスツアーで100ルピー。India A/C 1900ルピー、India Non A/C 1700ルピーという記載もある。要はタクシー1台をチャーターしてその値段ということだ。バス、タクシーに関わらず、どれも8:00am出発の8:30pm到着のツアーのようだ。

タクシーのチャーターも魅力的だったが、バスのツアーに参加することに決めた。タクシーチャーターだと値段が高いこともあるが、現地の人達と交流する機会が乏しい。せっかく南インドまで来ているのだから、多くの現地の人達と交流したいとおもったからだ。

彼女に、翌日1月1日のバスツアーを申し込んだ。しかし、その日のバスツアーは催行されないとのこと。ここでもまた、思い通りに行かないインド旅の面白さを体験した。

そんな時、頭の片隅に残っていたタミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation のことを思い出した。確か、このタミル・ナドゥ州観光開発公団のオフィスは、この俺が滞在しているホテルから歩いてすぐのところにあるはずだ。しかも、多種多様なツアーを提供するという。マーマッラープラム Mamallapuram へのバスツアーの手配もできるかもしれない。

さっそくバッグからロンプラ lonely planet を取り出し、タミル・ナドゥ州観光開発公団 Tamil Nadu Tourism Development Corporation の位置を確認した。ホテルから中央駅 Chennai Central R.S. 方面へ歩いてすぐだ。

ホテルを出て、その地図どおりに中央駅 Chennai Central R.S. 方面へ歩く。たかだか数百メートルではあるが、その道中でも思わずカメラのレンズを向けたくなる景色が俺の目に飛び込んできた。

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馬車小屋。大通りに面した小さな箇所に、馬と車が格納されていた

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チェンナイ Chennai 市内を走る超満員のバス

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壁にペイントする人達。通り過ぎようとすると、彼らは俺に写真を撮るように催促した。

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タミル Tamil 語は、ウォールペイントに向いているのか?妙にマッチングしている

間は夕暮れ時。日も傾いてきて、買い物に出かける時間が少なくなってきていることに焦りを感じ出した。

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中央駅 Chennai Central Station

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チェンナイ Chennai の看板は、めちゃデカイ!

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中央駅 Chennai Central Station 近くにある小寺院

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チェンナイ Chennai では、カメラを持っていると自分達を撮るように強請られる

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夕暮れ時の中央駅 Chennai Chentral Station 駅前

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彼らもまた、俺が首から提げるカメラを目ざとく見つけて、写真を撮ってくれと笑顔でせがんできた。